眼底三次元画像解析

眼底三次元画像解析

網膜の断面の検査

 OCT検査ではこれまでの眼底検査では行えなかった網膜の断面の観察を行うことができます。

 右上OCT検査画像は、右下眼底写真の白線の断面を撮影した正常画像です。このように通常の眼底検査とくみあわせて診察することで、ある種の眼底疾患が、よりわかりやすく正確に診断することができます。

 当院で治療した代表的な疾患のOCT画像を示します。


OCT

眼底写真

黄斑円孔

硝子体手術前
視力(0.3)
硝子体手術後(1年)
視力(1.5)

黄斑円孔が閉鎖し中心窩陥凹が復活してます。

→目の病気について「黄斑円孔」

黄斑前膜

硝子体手術前
視力(1.0)

網膜が肥厚し中心窩陥凹が認められません。

硝子体手術後(7日)
視力(1.0)

中心窩陥凹が回復してきてます。

→目の病気について「網膜前線維症(黄斑前膜)」

糖尿病黄斑症

硝子体手術前
視力(0.4)

網膜内嚢胞様変化と漿液性網膜剥離が認められます。

硝子体手術後(1年)
視力(1.2)

嚢胞様変化と網膜剥離が消失し中心窩陥凹が復活してます。

黄斑浮腫

網膜静脈分枝閉塞例 硝子体手術前
視力(0.8)

網膜内嚢胞様変化と漿液性網膜剥離を認めます。

硝子体手術後(3ヶ月)
視力(0.8)

網膜剥離が消失し、嚢胞様変化が軽減し中心窩陥凹が回復してきてます。

網膜静脈分枝閉塞例 抗VEGF薬投与前
視力(0.3)

網膜内嚢胞様変化と漿液性網膜剥離が認められます。

抗VEGF薬投与後(1ヶ月)
視力(0.6)

網膜内嚢胞様変化、漿液性網膜剥離ともに消失し中心窩陷凹が認められます。

近視性黄斑変化 抗VEGF薬投与前
視力(0.5)

新生血管、黄斑浮腫と漿液性網膜剥離が認められます。

抗VEGF薬投与後(1ヶ月)
視力(1.0)

新生血管、黄斑浮腫、ともに減少し、漿液性網膜剥離も消失しています。

神経線維層の厚みの検査

 更にOCTでは、眼底の視神経の周りにある「神経線維層」の厚みを測定出来るので、緑内障の診断、評価に有効です。

(1) 正常者(実例)

両眼ともに、神経線維層は正常です。
視野検査は、両眼共に正常です。

(2) 初期の緑内障例(実例)

右眼(OD)の上方の(S)の部分の神経線維層が薄くなっています。(赤い部分)

右眼の視野検査で、日常生活では気が付かない程度の軽度の視野障害が認められます。

(3) 進行した緑内障例(実例)

右眼(OD)では上方(S)と下方(I)の神経線維層が薄くなり、左眼(OS)では(N)以外の部分の神経線維層が薄くなっています。

視野検査では、両眼共に高度の視野の欠損が認められます。

→目の病気について「緑内障」