眼の病気について

黄斑浮腫

病気の原因

 黄斑浮腫とは、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などの眼底の血管が閉塞したり、その他の網膜、脈絡膜の疾患が原因となり、眼底に新生血管(通常では存在しない新しい血管)が発生したり、眼底の炎症等により、眼底の血管の透過性が更新して黄斑と呼ばれる網膜の中心部に浮腫(むくみ)が生じた状態です。

 この時に、黄斑部に付着している硝子体(生卵の白身の様な組織で、眼の中のレンズと網膜の間にある組織)が黄斑部を牽引して浮腫を増強させたり、又は硝子体中に浮腫を悪化させる物質が出てきます。  眼底中心部の浮腫の為、視力の低下、直線が曲がって見える「変視」がおこります。

→黄斑浮腫のOCT画像はこちら

治療の必要性・放置した場合の可能性

 眼底中心部の浮腫の為に視力の低下、直線が曲がって見える「変視」がある場合には、積極的な治療を行い浮腫を軽減をさせる事が必要です。

 放置した場合、数年の経過で黄斑浮腫がゆっくりと消失する場合がありますが、その時点では網膜の機能も低下し視力は0.1以下に固定する事が多いです。

治療方法

  • (1) 抗VEGF薬の硝子体内注射
    網膜静脈閉塞症、近視性の黄斑症、加齢性黄斑変性では抗VEGF薬の硝子体内注射が認められています。
    これらの病気では、原則として治療開始から3ヶ月間は毎月1回抗VEGF薬を硝子体内注射し、その後は 経過により必要に応じて抗VEGF薬の硝子体内注射を追加します。この治療が有効な例もありますが、繰り返し投与が必要な症例もあります。
  • (2) 硝子体手術
    • 1) 硝子体を取り除きます。
    • 2) 黄斑付近の「内境界膜」を除去します。
    • 3) これらの操作で、網膜に穴が生じた場合には必要に応じてレーザー凝固を行います。